QtWebKitをベースにしたヘッドレスブラウザであるPhantomJSの開発が終了され、2018年6月2日にリポジトリもアーカイブされました。
以前にもお伝えしていましたが、PhantomJSはQtWebKitをベースにしていて安定版が利用しているバージョンも古いままでした。
また、QtWebKitの新しいバージョンへアップデートを行うベータ版も開発されていましたが、Headless Chromiumが公開されたことや個人でPhantomJSのメンテナンスを続けていくの難しいという問題もあり開発は停止していました。
- 2017-05-03のJS: Headless Chrome/FirefoxとPhantomJS/SlimerJS、ES modules - JSer.info
- 2017-09-05のJS: Headless Browserの対応、Browserifyの再開 - JSer.info
そのまま非アクティブな状態が続いたためリポジトリもアーカイブする提案がされ、2018年6月2日にリポジトリがアーカイブされました。
Securityリリースの予定なども特にないことから事実上のEOL(End Of Life)になりました。
PhantomJSは2011年1月23日に公開されました。
JSer.infoではPhantomJSがリリースされた日にPhantomJSを紹介する記事を書いていました。
現在ではChromeとFirefoxそれぞれでヘッドレスモードが公式にサポートされています。
ブラウザに同様の機能が実装され開発を終了したものとしては、開発者ツールの元となったFirebugがあります。
PhantomJSはSeleniumのような自動テストをはじめ、スクレイピング、Prerender、キャプチャやPDF化、パフォーマンス分析などさまざまな用途で利用されていました。
PhantomJSはバイナリ1つでヘッドレスなブラウザを動かせることから、CIなどいろいろな環境で手軽にブラウザを実行できるツールとして使われ、また自動テストにおいては実際のブラウザよりも自動化がしやすかったため大きな意味をもっていたと思います。
今回のリポジトリのアーカイブ化でPhantomJSは1つの役目を終えたと言えます。
Thanks to PhantomJS and contributors!