JSer.info #598 - ECMAScript 2022が、2022-06のEcma International GA(総会)で承認され、正式にリリースされました。
ES2022では、クラスにPublic/Privateクラスフィールド、Top-Level await、StringとArrayにat()
、Error Causeなどが追加されています。追加された機能については、次の記事で解説されています。
- Ecma International approves ECMAScript 2022: What’s new?
- 正式仕様リリース! JavaScriptの最新仕様ES2022で追加された「全」新機能
また、同じくJavaScriptの入門書であるjsprimerもES2022に対応しています。
- JavaScript Primer 4.0.0: ECMAScript 2022に対応したJS本 | Web Scratch
- Release v4.0.0: ES2022 · asciidwango/js-primer
TypeScript 4.8 Betaがリリースされました。
unknown
などに関係するコントロールフロー分析の改善、Template String Typesでのinfer
の改善が行われています。
また、--build
/-watch
/--incremental
におけるビルドパフォーマンスの改善、オブジェクトリテラルや配列リテラルを==
や===
で比較した場合にエラーとなるように変更されています。
そのほかには、Binding patternの型推論の改善、--watch
の安定性の改善などが含まれます。
CodeMirror 6は、@codemirror/next
として開発されていましたが、codemirror
のStableバージョンが6へと変更されました。
これによって、npm install codemirror
で6がインストールされるようになります。
CodeMirror 6は、CodeMirrorを一から書き直しているため、CodeMirror 5以前とは互換性はありません。
CodeMirror 5からのマイグレーションガイドは次のページで公開されています。
また、CodeMirror 6はコアがパッケージとして分かれているため、codemirror/codemirror
というリポジトリはありません。今までのCodeMirror 5以前がcodemirror/codemirror
というリポジトリでしたが、今回の6がStableとなったことでcodemirror/codemirror5
というリポジトリ名にリネームされました。
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ヘッドライン
Ecma International approves new standards - Ecma International
www.ecma-international.org/news/ecma-international-approves-new-standards-6/
ECMAScript 2022、ECMAScript 2022 Internationalization APIが正式にリリースされた。
[webkit-dev] WebKit is now on GitHub
lists.webkit.org/pipermail/webkit-dev/2022-June/032312.html
WebKitのリポジトリがGitHubへ移行する
Announcing React Native 0.69 · React Native
reactnative.dev/blog/2022/06/21/version-069
React Native 0.69リリース。
React 18のサポート、HermesとReact Native一緒にリリースする方針へ変更など
CodeMirror 6.0
marijnhaverbeke.nl/blog/codemirror-6.html
CodeMirror 6がStableリリースされた。
codemirror
パッケージのStableが6となり、CodeMirror 5のリポジトリはLegacyとなった。
Release 2.5.0 · socketio/socket.io
github.com/socketio/socket.io/releases/tag/2.5.0
Socket.IO 2.5.0リリース。
セキュリティ修正としてmaxHttpBufferSize
のデフォルト値を100MBから1MBに変更など
Find and fix problems in your JavaScript code - ESLint - Pluggable JavaScript Linter
ESLintのウェブサイトがリニューアルされた
Release Version 14.0.0 · open-source-labs/reactime
github.com/open-source-labs/reactime/releases/tag/v14.0.0
State管理のタイムトラベルデバッグツールのReactime v14.0.0リリース。
React Routerのステートをサポートなど
Release v2.0.0 · foliojs/fontkit
github.com/foliojs/fontkit/releases/tag/v2.0.0
fontkit v2.0.0リリース。
Node.js特有の機能に対する依存を削除し、ブラウザでも利用できるよう変更。
Bufferの代わりにUint8Array/TextEncoder/TextDecoderを利用するなど
Release v14.0.0 · angular-eslint/angular-eslint
github.com/angular-eslint/angular-eslint/releases/tag/v14.0.0
Angular ESLint v14.0.0リリース。
Angular 14のサポート、Node.js 12のサポート終了、インラインテンプレートをLintする際のVirtual filenameの変更など
Announcing TypeScript 4.8 Beta - TypeScript
devblogs.microsoft.com/typescript/announcing-typescript-4-8-beta/
TypeScript 4.8 Betaリリース。
unknown
は{} | null | undefined
と同様になり関連するコントロールフロー分析の改善、Template String Typesでのinfer
の改善。
--build
/-watch
/--incremental
におけるビルドパフォーマンスの改善、オブジェクトリテラルや配列リテラルを==
や===
で比較した場合にエラーとなるように。
Binding patternの型推論の改善、--watch
の安定性の改善など
アーティクル
When You Should Prefer Map Over Object In JavaScript
www.zhenghao.io/posts/object-vs-map
MapとObjectの使い分けについての記事。
Objectを使うときとObjectの問題、Mapの使い方とMapのベンチマーク。
Sensemaking: Angular without SSR is faster than Next.js with SSR. I have the data.
Angular(SSRあり/なし)とNext.jsのショーケースに掲載されているサイトのパフォーマンス計測をして比較した記事。
両方フレームワークのパフォーマンススコアの平均と中央値は大体同じ傾向となったという話
サイト、サービス、ドキュメント
astoilkov/main-thread-scheduling: Fast and consistently responsive apps using a single function call
github.com/astoilkov/main-thread-scheduling
Main Threadでの処理をUIの表示や操作をブロックせずに行うためのスケジューリングライブラリ。
Scheduling APIを意識したAPIとなっている。
requestIdleCallback()
やpostMessage()
などを使いキューを管理する。
また、navigator.scheduling.isInputPending()
を使いユーザー入力をブロックしないようにタスクを実行できる。
ソフトウェア、ツール、ライブラリ関係
timocov/dts-bundle-generator: Tool to generate a single bundle of dts
github.com/timocov/dts-bundle-generator
TypeScriptの型定義をbundleするツール
書籍関係
JavaScript Primer 4.0.0: ECMAScript 2022に対応したJS本 | Web Scratch
efcl.info/2022/06/19/jsprimer-4/
JavaScript Primer 4.0.0リリース。
ES2022の対応とSandpackを使ったエディタが組み込まれた。